名画研究会

「なぜこの絵は名画と呼ばれるのか」を追求しています。youtubeチャンネル「Masterpiece Lab.」も更新中。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

【おまけ】「ヴァージナルの前に座る女」には原作がある?フェルメールが参考にした画家とは ~ロンドンナショナルギャラリー展~

■インスピレーションを与えたと考えられる作品が存在 今回ロンドンナショナルギャラリー展で来日するフェルメールの「ヴァージナルの前に座る女」ですが、この絵には構図などを参考にした、ベースとなる作品があることが知られています。それがヘラルト・ド…

【後編】フェルメール「ヴァージナルの前に座る女」に秘められた意味 ~ロンドンナショナルギャラリー展~

ヴァージナルの前に座る女(1672)/ ロンドン・ナショナル・ギャラリー ■2種類の楽器が持つ意味 この絵には2種類の楽器が描かれています。ひとつは作品名にも入っているピアノのような鍵盤楽器、ヴァージナル。もうひとつは左下に描かれているチェロのよう…

【前編】初来日 フェルメール「ヴァージナルの前に座る女」~ロンドンナショナルギャラリー展~

■フェルメールの最晩年作品 謎の多いフェルメールが最晩年に描いたと言われている作品が「ロンドンナショナルギャラリー展」で初来日します。実はこの作品、フェメールが描いた作品ではあるものの「名画」であるかは議論の余地があるようです。ただし、知れ…

ゴッホの「ひまわり」は ”ほぼ単色だけ” で描かれた傑作 ~ロンドンナショナルギャラリー展~

■黄色を基調に描かれている ロンドンナショナルギャラリー展で来日する「ひまわり」は、全11作品描かれたひまわりシリーズの中でも最高傑作と言われています。その理由は、とても完成度の高い"単色で描かれた絵"だからです。花と背景が同一系統色であるに…

ゴッホが描いた「ひまわり」だからこその魅力 ~ロンドンナショナルギャラリー展~

■ゴッホの絵画は「手紙」が重要 ゴッホの「ひまわり」が何故ここまで我々を魅了するのか、その理由のひとつはゴッホの4歳年下の弟テオとの「手紙」にあります。 テオドルス・ファン・ゴッホ(1857~1891) テオは経済的にも精神的にもゴッホの大きな支えとな…

ゴッホ「ひまわり」~全11作品も描かれたワケ~ ロンドンナショナルギャラリー展~

■ひまわりは色彩表現の研究題材として描かれた 「ひまわり」が複数枚存在することは有名な話です。 実は、全11作品描かれました。パリ時代に4作品、アルル時代に7作品。 いわゆる“ゴッホのひまわり”は、アルル時代の7作品を指すことが多く、全て同じ構…

「ひまわり」は、ゴッホの純粋な希望の欠片 ~ロンドンナショナルギャラリー展~

■初来日するロンドンの「ひまわり」 ロンドンナショナルギャラリー展でゴッホの「ひまわり」が初来日します。 ひまわり(1888)/ ロンドン・ナショナル・ギャラリー 「花」をモチーフにした絵画の中ではもっとも有名な作品です。ただ、この作品を見てこんな…

名画研究はじめます

はじめまして。 突然ですが、 日本の展覧会の観客動員数は世界トップレベルだということをご存じですか。 世界展覧会観客動員数ランキングでは常に上位に位置し、 この結果だけを見ると、日本人は美術に関心が高いんだなぁと感心します。 しかし、世界の美術…