観ないと損するBEST5!ロンドンナショナルギャラリー展レポート・感想~実物が素晴らしかった絵画ランキング~
■整理券システムのおかげで快適
コロナの影響で延期となっていたロンドンナショナルギャラリー展に行ってきました。朝10時に国立西洋美術館に到着、13時半入館の整理券を入手。整理券システムのおかげで館内は空いていて、とても快適に鑑賞できました。整理券システムではなかった東京都美術館の「ムンク展」なんてなかなか悲惨でしたからね。
全61作品、多すぎず、少なすぎずちょうどよいボリューム感でした。作品は時系列で展示されており、時代や画風の変遷を感じながら館内に点在する目玉作品を楽しむことができました。と言っても、僕は観たい作品から先に観て回ってしまいますが…
■実物が素晴らしかった絵画 BEST 5!
今回来日している作品の中で、予想以上に実物が素晴らしかった5作品をランキング形式で紹介したいと思います。今回のランキングは完全に個人的な意見となります。「いやいや、それはないでしょう〜」「あの名画が入っていないけど視力大丈夫?」などはご勘弁ください。。それではいきましょう!
ひまわりはどこだろう・・と速足で印象派のゾーンを通り過ぎようとしたその時、ふと目に留まったのがこの絵でした。個性的な配色とバランスの良い構図がとても美しい。印象派の代表画家の一人として有名なセザンヌですが、本作は、印象派から距離を置き、自然を幾何学的に抽象化しつつ画面を構成することを試みた作品のようです。地層や岩の研究にも打ち込んでいたそうで、セザンヌのこだわりが感じられますね。
画面の大きさに圧倒されました。あまり前情報を持たずに実物と対峙したのでなおさらでした。夢の中の世界のようにふんわりまろやかな光に包まれた地上、そしてそれとは対照的に深さを感じさせるリアルな海。フランス印象派のさきがけとなる作品と言われている作品です。今後、深く掘り下げてみたい画家ですね。。
第3位:クリヴェッリ「聖エミディウスを伴う受胎告知」
この絵こそ実物の大きさ(207×146cm)で観てほしい作品です。とにかく細かい。線描と正確な遠近法を駆使して描かれているうえ、建物や人物の装飾など、細部まで変態的ともいえる精巧さで描かれています。天から降りてくる金色の光線が徐々に細くなっていく演出なども見事です。手前の果物も画面から落ちてきそうなほどリアルでした。この絵の中には複数の人物が描かれていますが、それぞれを切り取って、独立した一枚の作品として観たいくらい、尋常ではない完成度でした。これが今から500年以上前の作品ですよ・・・とてつもない衝撃を受けたので、3位とさせていただきました。
第2位:レンブラント「34歳の自画像」
ほかの作品とは、明らかなオーラの違いを感じました。優しい光に照らされたレンブラントは自然な表情でこちらを向いています。歴史に残る画家に名を連ねようと添えられた画面右下のサインは「Rembrandt 1640」とファーストネームでした。(ラファエロなどの巨匠がファーストネームで呼ばれていることに憧れがあったと言われています)かっこいいっすね。ついに実物を見てしまった。。。
第1位:ゴッホ「ひまわり」
1位はゴッホの「ひまわり」です。今回の目玉作品として、最後の部屋にはこの一枚だけが展示されていました。絵が目に入った瞬間に感じたのはその眩しさです。この黄色の絵の持つ強烈なまでの明るさは、画集などの印刷物からは伝わらないと思います。光を集め、自ら輝いているかのようでした。そして恐る恐る近づいてみます。近くで見て驚かされたのはその立体感です。薄塗りで平面的な花瓶が最も奥にあり、厚塗りの花が手前にある。その花たちもそれぞれが異なる奥行き、異なる層に存在している。そのため花が浮かび上がっているかのような立体感を感じました。またこの絵の背景にあるストーリーを知っているだけに、余計に胸に響くものがありました。
いかがでしたでしょうか。結果的にかなり王道なランキングになりましたが、これから観に行かれる方の参考になれば幸いです。是非皆さんの感想も聞かせてくださいね。